断捨離できるようになるまでの話


筆者は数年にわたり断捨離を実践していますが、最初からすんなりモノを手放すことができたわけではありません。少しずつモノを手放していく過程で痛みを伴いながらゆっくりと前進してきたように思います。

今回は、モノを処分するのが苦手だった筆者が、どのようにして断捨離できるようになっていったかを時系列で書いていきたいと思います。

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汚部屋主、断捨離本に出会う

もともと片付け下手だった筆者に子どもが生まれてから余計に物が増え、汚部屋化した家をどうにかしようと、やましたひでこさんが2009年に出版した「断捨離」の本を購入し何度も熟読。

本を読んだからといって、すぐに捨て上手になるわけでもなく、しばらくの間は物をひっぱり出しては「いつか使うかも」と、またしまうことを繰り返しました。

やはり捨てられないものは捨てられない…。ということで、誰かに使ってもらえればと思い、フリーマーケットやリサイクルショップを少しずつ活用しはじめました。


ゴミ処理場での衝撃

フリーマーケットやリサイクルショップで物を処分することに少しずつ慣れていったころ、古くなった家具を粗大ごみとしてゴミ処理場に出しにいきました。

車で家具を処理場まで運ぶと、担当の人が車から家具をひっぱりだしてくれて、「バンッ!」とおもむろに捨て場に投げ捨てたのです。(ゴミなので当たり前ですが…)

その様子を目の当たりにしたとき、予想外に衝撃を受けたことを覚えています。

『そんなに雑に扱わなくても…悲』

でも、雑に扱っていたのはゴミ処理場の人ではなく、間違いなく自分自身。家に戻りながらその家具を買ったときのことを思い出しました。

お買い得だったからという理由でなんとなく選んだその家具。本当に欲しかったものかと聞かれると答えはノーです。

まだ使えるけど飽きたからという理由だけで捨てる選択をしたのに、雑に捨てられていく様子を目の当たりにして複雑な心境に陥る経験は、本当に欲しいものしか買わないという教訓を与えてくれたのかもしれません。


メルカリに出会う

フリマアプリ「メルカリ」は2013年に配信開始。筆者が実際に利用開始したのはその2年後でした。

フリーマーケットやリサイクルショップだけだと、見てくれる人も限定的と思い、当時おっかなびっくりはじめたメルカリでしたが、想像以上に快適に売買が成立。まだ使えるものを捨てずに処分できるこの仕組みで、断捨離脳がいっそう促進されました。


物を手放すことで変わる思考

最初は売れることが楽しかったメルカリですが、出品・梱包・配送などの作業がだんだんと手間に感じるように。

メルカリは日々進化をし続けていて、はじめた当初に比べると格段に利用しやすくなってはいるものの、やはりそれなりに手間はかかります。

一方で、取引を続けていくうちに、売れやすい品物も少しづつわかってくる。

こうした作業を続けていくうちに、日ごろショッピングモールなどできれいに陳列されている商品を見ても、「これはメルカリでサクッと売れるかな?」という考え方に変化。「処分する」ことを前提に物を買う思考回路になっていきました。


買い物が最適化されていく

こうして捨て活を続けてきて思うことは、やっぱり捨てることは苦手。リサイクルショップ、フリマアプリ、誰か譲ることを考えて、それでも処分できなければ捨てますが、まだ使えるものを捨てないですむなら捨てたくないのが本音です。

メルカリでは服を出品することが多いのですが、無印良品ユニクロなど全国展開で誰でも店頭で品物をチェックできそうな値ごろ感のあるものは売りやすいと感じています。(売上もミニマルですが…)

同時に、両店舗はリサイクルボックスも店頭に設置してあり、服のリサイクル活動も行っています。

現在は、まだ使えそうなものはリサイクルショップやメルカリで手放し、着古したものは店舗設置のリサイクルボックスに入れるスタイルが定着。持続可能な買い物になっていればよいです。

筆者の部屋のスペースを多くとっているものは主に服であることを考えると、シーズンのはじまりに服を数着購入し、シーズンの終わりに数着処分を習慣にすればモノが増えることもありません。



以上が、断捨離できるようになるまでの話でした。



ちなみに、断捨離とは、ヨガの思想がもとになる断行(だんぎょう)・捨行(しゃぎょう)・離行(りぎょう)の意味があります。


断:新たに手に入りそうな不要なものを断る
捨:家にずっとある不要な物を捨てる
離:物への執着から離れる


筆者の断捨離は、不要な物を捨てる「捨行」からはじまりました。痛みを伴いながら処分して自分が買ったものと向き合うことで、新たに手に入りそうな不要なものを断る「断行」の精神が養われたように思います。

物への執着から離れる「離行」はもうちょっとかかるかもしれません笑